ホスピタルクラウンから学ぶ、コミュニケーション術
昨年12月19日に、ヒューマンキャピタルお客様勉強会を開催しました。
講師には、2008年3月にフジTVでドラマ化もされ「ホスピタルクラウン活動」を日本に初めて根付かせた大棟耕介氏をお招きしました。道化師(クラウン)としても世界の頂点に立たれた
実力者でもある大棟氏が、どうして病院回りを始めたのか?
観客を一瞬にして虜にしてしまう場つくり等々、我々が日常の仕事の中でも参考になる大切なコミュニケーション術を、たくさん学ばせていただきました。
有限会社プレジャー企画 代表取締役 大棟 耕介 氏
■ 講 演
【今回のレポートの編集にあたり】
プレジャー企画様の要請もあり、今回のインサイトの記述内容は、当社にて全て文責の上編集をさせていただきました。大棟氏が講演でお話しくださった要点のみを紹介させていただきますことをご了承ください。
≪講演者紹介≫
大棟耕介氏=クラウン名:クラウンK
クラウンとは、道化師のこと。
※ピエロは固有名。クラウンは、欧米では最高のステイタスであり、サーカスの一番の人気者である。
場、空気、会場を一瞬のうちに変える。笑いを誘える。それが、クラウン。
≪クラウン≫
クラウンは脇役~テンションを上げて受け止め、時間の隙間をうめて、場の一体感を出す名脇役。
クラウンの立ち位置~知識・スキル・経験が余裕を生む。相手のことを考えられる。人に合わせられる。
クラウンの軸~自分が何者かを意識する。専門性を身につける。
クラウンの状況の作り方~下からもちあげる方法。
①へりくだり=逆転
状況をひっくり返すのは、見ている人を上にするため。
・状況を逆にすると幼稚園児などでもウケる。
・みくだし笑いをあえて誘う。
②空気を変える
声を出させる。拍手をする。これで、空気が変わる。
≪病院を訪問している≫
病院を回れるクラウンは少ない。
心は必要ない=優しさだけでは、やっていけない。
クラウン・道化師としての「軸」をしっかり持つ。
長期入院では、病院を「街だと思って欲しい」(発想を少し広げる)患者さんはその中の住人。
マジックを見せる⇒子供たちよりも親をターゲットにする。親の笑顔が子供の笑顔につながる。
子供が親を喜ばせる、その事を喜ぶ。
受身に徹する。選択しない。下からもちあげるパフォーマンス。
子供は、聞き分けが良い。だから、いたずらが大切。病院の廊下で車椅子レースもやった。
☆病院でのパフォーマンスで、病気を治そうとは思わない。越権行為をしない。あくまで外の人間。
≪病気の子供とのコミュニケーション≫
1.空気が変わる 2.口数が増える 3.声が大きくなる 4.前のめりになる
これはコミュニケーションが取れている証拠。あくまで「押し」ではなく「引き」のコミュニケーション。
≪クラウン流コミュニケーション術≫
1.見る、観察=相手を見る。
2.見られるという意識を持つ=はずかしいという気遣い、意識を持つ。
3.見せる=恰好をつける、役柄がある~役柄を演じる、演じきる。
☆外面を作って続ければ、内側(内面)も少しずつ変わる。
4.テンションを合わせる=テンションを自分でコントロールする為、ニュートラルにしておく。
☆ベクトルを合わせると外部アドバイスとなる。
5.常に大げさ=コーチングは、相手に合わせる。アクションに対するリアクションを大きく。
☆コーチングの達人=銀座のホステスさん
6.笑い=伝播する、笑顔は伝播する。まず家庭・自分。自己犠牲は続かない。
☆笑顔からは、報連相がスムーズになる。エネルギーが伝播する。免疫力を高められる。
7. 外面を意識する=クレームは、外部アドバイス。誠心誠意受け、引きづらない。
≪一緒に作る・組織を作る≫
一方通行ではない。一緒に作っていく。
1. 手を上げるくせをつける。
2. 質問を馬鹿にしない~二度と質問をしなくなる。
3. ありがとう、頑張っているね=言わないと伝わらない。
4. 伝える=意見を出し合ってシェアする。
5. 期待され期待に応える~人に期待してもらう。期待に応える。それが人間の成長につながる。
「第二部・質問会から」
・思いは伝わらないが、思いやりは伝わる。
・当たり前ではない一日を全力で生きる。
・やることがあるから、たんたんとやっている。
・使命→義務と覚悟→あきらめ
≪モチベーション保つ方法≫ ・死を思う=生きているか
・死を思う=生きているからこそ全力~夜寝るときに後悔したくない。子供の死。限りある一日。
・へこみがないとジャンプできない。
・へこみがあると、やさしくなれる。
・挫折も必要。
・下にもぐる~重心を低くする。
・おやじギャグのすすめ。
インサイト No.33
2013年2月20日